こうして私は被害者になった。 シンガポール編

旅行

今回からは、今まで私が海外を訪れて、被害にあった犯罪の数々を、紹介していきたいと思います。
私の体験談を見て、それを反面教師として、同じような被害に遭わないようにしてほしいと願っています。

第一弾は、シンガポール編です。
私がまだまだ若かった頃。今から2年ほど前に、1人でシンガポールに行きました。
飛行機は定刻通りの20:30シンガポールの玄関口であるチャンギ国際空港に到着しました。
今から、市内に行くのは面倒くさいし、シンガポールは世界的にみてもとてもホテル代が高いので、この日は空港のベンチで寝ることにしました。
この時が、初めての空港のベンチでのお泊りだったのですが、チャンギ空港はとても近代的で、清潔感があり、世界一の空港に何度も選べれているという情報を得ていたので、なんら不安はありませんでした。
いい感じのベンチを見つけて、そこで寝ることにしました。
比較的に治安が良いと言われているシンガポール。とは言えここは外国。日本の常識で物事を考えていたら、痛い目にあう。
海外に1人で行き始めた時期でもあり、警戒心がとても高かった私。
寝る前に、窃盗被害に遭わないための最強フォーメーションを敷くことにしました。
財布やパスポートなどの貴重品は、リュックの一番奥に入れ、リュックに南京錠で鍵をかけ、更にそれを裏返し、リュックを枕にしました。
ここまですれば決してお金が盗られることはないと、確信して眠りにつきました。
初めての空港泊で、少しワクワクして眠れなかったのを覚えている。
それくらいあの時は純粋でした。
何だかんだ疲れていたので、その後、ぐっすりと眠ることができました。
朝の9時頃にようやく目覚めました。そして、真っ先にリュックとリュックの中身を確認しました。
すると、どちらとも無事でした
私は勝利しました。初空港泊、そして、シンガポールに。心の中で、ガッツポーズをキメて、体を目一杯伸ばすために立ち上がりました。
すると、なぜか足下に寒気を感じました。というよりも、足に床の冷たさを感じました。
そこで、私は、クロックスが無いことに気がついた。
最初は、寝ているときに床に落ちたのだろうと思い、ベンチの下を探しました。
しかし、世界一清潔なチャンギ空港には、クロックスどころか、ごみ1つ落ちていませんでした。
日本から履いてきた僕のクロックス。僕が歩んできた道のりは、クロックスも一緒に歩いてきた道。
とても、大切にしていたのに、シンガポールで分かれ離れになった僕達。君も僕の一人旅に憧れて、一人旅に出たのかな?

そんなクソみたいなポエムを考え、クロックスを追悼した後、冷静に一度考えてみた。
もしかしたら、誰かが床に落ちているクロックスを、ゴミだと思い、ゴミ箱に捨てたのかも」と。
そして、空港中のゴミ箱を漁った
無心でゴミ箱を漁っていると、警備員が僕の肩を叩いて、こう言ったGet out!]と。
英語を全く話すことができなかった私は、状況を説明することもできず、外につまみ出された。はだしの状態で。
小学校の時に図書館で読んだ、はだしのゲン。主人公のゲンは、原子爆弾により全てを失った。しかし、彼ははだしで立ち上がり、世の中の不条理と戦い続けた。勇敢な戦士の物語である。
しかし、はだしのトモミは違った。何者かにより、クロックスを奪われ、怖い警備員に反抗することなく、追い出され、今にも泣きだしそう。今皆さんが見ているのは、臆病な敗者の物語である。
とにかく空港にいてもどうにもならないので、地下鉄に乗って、市内に向かうことにした。
近代的なシンガポールの地下鉄に、はだしの男。あまりにも不釣り合いである。
そして、私の周りに広がる謎の空間。誰も、私に近寄らない。
私の足を指さす子供。全力でそれを止める親。まさに「触らぬ神に祟りなし」状態である。
この時私は、千と千尋の神隠しに出てくる、カオナシの気持ちが分かった。
取り敢えず、靴を売っていそうな駅で降りた。
地上に降り立つと、地面がとても熱い。さすが赤道直下の国。

靴を求めて、街を歩くことにした。
しかし、この近代的な都市に、靴屋さんなど見当たらない。

そうこうしているうちに、あのマーライオンにたどり着いた。
普通だったらテンションが上がっただろうが、今の私には、マーライオンなんてどうでもいい。
それよりも一刻も早く、焼けただれた足の裏を冷やしたい。そして、靴を履きたい。
このエリアには、靴が売ってなさそうだったので、再び地下鉄に乗って、チャイナタウンに向かった。
チャイナタウンなら、中国製の安い靴を売っているだろうと思ったので。
そして、チャイナタウンに着いて、周りを見渡した。
驚くことに、私と同じ、はだしの人がたくさんいる。私は仲間を見つけた安堵感と彼らもまた靴を盗まれたのだろうと思い、靴を盗むという凶悪犯罪の被害者に同情を感じた。
しかし、街を歩くと先ほどの私の思いは裏切られた

どうやら、寺院があり。ここに入るためには、靴を脱いではだしにならなければいけないらしい。
私は、犯罪の被害者。しかし、彼らは敬虔な巡礼者
私と彼らとでは、立場が全く違う。
しかし、地元の人が、お祈りの帰りなどで、はだしで歩いているおかげで、私も街に溶け込むことができた。
あとは、靴さえ手に入れば良いので、一番活気のある通りに行った。
そこではたくさんの観光客が、客引きにあっている。
まるで、金曜日の歌舞伎町
客引きに絡まれるのはだるいな」と思ったが、靴を買うためには仕方がない。
そして、私が、その通りを歩き始めた瞬間。急に道が開けた。先ほどまで、通りにいた客引き達が、店に戻っていく。 

まさに、モーセの海割り
あの偉大な預言者モーセが、エジプトから迫害されていたユダヤ人を率いて逃れる時に、海を割った時のように、道が開けていく。
今から、3500年ほど前にエジプトで、モーセが起こした奇跡を、2015年にシンガポールで、私が再び起こしてしまった。
私は自分が神に選ばれし者であると、この時思った
しかし、現実は違った。
私の日本人離れした濃い顔面。昨晩風呂に入ってないため少し薄汚い全身。そして、裸足。
これらの情報を客引き達は、一瞬で脳内のパソコンにかけた。
そして、下された判断が、「こいつは地元の人間だ。客引きしなくていい。」である。
その結果、私の目の前の海が割れたのである。

結局、そこで靴を買うのは恥ずかしかったので、買わず。違う街の靴屋さんで靴を買った。
皆さんも、海外に行かれる際は、靴の窃盗に気をつけて下さい。
次回に続く
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執筆者 日下部智海

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